原題 JEAN SIBELIUS Scenes Historiques I Suite for Wind Orchestra 1. All'Overtura 2. Scena 3. Festivo Scenes Historiques Ⅱ Suite for Wind Orchestra 4. Metsastys "The Chase" 5. Minnelaulu "The Minnesong" 6. Nostosillalla "On the Drawbridge" Suomi heraa 7. "Finland Awakes" from the Press Celebrations Music
本人確認前
本出品は、以前 組曲「歴史的情景」第１番 として出品していた内容に 組曲第２番 を
追加したものです。
シベリウス作品の中で圧倒的な知名度を誇る「フィンランディア」ですが、この曲が
「報道の日の為の音楽」(＊１) と云う劇音楽から編纂された事は存外知られていないの
ではないでしょうか。
この「報道の日の為の音楽」より「フィンランディア」と同様に編纂 (＊２) されたのが
組曲「歴史的情景」第１番に成ります。
第１曲 序曲風に
原曲は第１場「ワイナモイネンの歌」(＊３)。文字通り序曲風に開始するが、やがて軽快な
音楽に成る。金管楽器のアクセントが花を添える。演奏時間、約５分
第２曲 情景
原曲は第４場「フィンランドでの３０年戦争」(＊４)。ファゴットのメヌエットで始まるが、
金管のファンファーレが戦いを告げる。戦いの描写の後、音楽は勝利を告げる凱旋行進曲と成り
勇壮に締め括られる。演奏時間、約６分
第３曲 祝祭
原曲は第３場。１６世紀フィンランドの古都トゥルクの大公の宮廷で行われた祝祭を描いている。
祝祭風のボレロのリズムを基調とした主部に対して、哀愁を帯びた舞曲風のトリオが白眉。
この音楽がシベリウスの感性を刺激して第２番の組曲が生まれたのではないかと思われる。
演奏時間、約７分
組曲「歴史的情景」第２番 は第１番編纂の翌年に作曲されている。
第１番と異なり「報道の日の為の音楽」から編纂された音楽ではない。しかし、第１番の各曲と
似通った雰囲気を持ち、出版されたスコアでは各曲に第４～６曲と、第１番から通した番号が
記載されている。(＊5) 各曲の表題から分かる様に、第１番が「国家の歴史」であるのに対して
第２番は「個人的思い出」に成っていると思われる。
第４曲 狩り
ホルンによる自然に対する畏怖を表すかの様な動機に始まり、狩猟の場面を想起させる快活な
音楽が続く。冒頭のホルンの動機が自然への感謝を表す壮麗なコラールと成って曲を閉じる。
演奏時間、約７分
第５曲 愛の歌
シベリウスはワーグナー的な「叫びあう」様な「愛」の表現に否定的であった。
この曲は、シベリウス流の「ささやきあう愛」の表現であるが、同時に深い感情をも表現し
素敵な余韻を与える。演奏時間、約５分
第６曲 跳ね橋にて
この曲がどの様な情景を描いているのか、作曲家のコメントは残されていない様である。
軽快なリズムに乗って楽しげな音楽が展開する。しかし、重要なのは終結部のフルートによる
モノローグだろう。この部分に至り、これらの楽しげな情景が(もはや手の届かない)過去の出来事
であったのだと知る事に成る。演奏時間、約７分
誰にでも「あの時、こうすれば良かった．．．」という様な思いの１つや２つは有る物かと
思います。しかし、その時々の思い出はそう悪いものでは無い．．．そんな思いに共感出来る時、
これらの小品はかけがえのない音楽に成るでしょう。
「フィンランドは目覚める」～フィンランディア原曲～
「報道の日の為の音楽」第６場の音楽。エンディングで後半の賛歌風のテーマが再現する様に
改定され「フィンランディア」として、シベリウスを代表する曲と成った。
出品の楽譜の表記は"Suomi heraa"(フィンランドは目覚める)ですが、「フィンランディア」と
しても使用出来る様に２種のエンディングが用意されています。
さて、組曲「歴史的情景」の各曲を見て(聞いて)来ると、第１、２番ともに「フィナーレを欠いた
構成」に成っている様に感じたのではないでしょうか。シベリウスはオーケストラのレパートリー
として定着していた人気作の「フィンランディア」と合わせ、自作のみで一夜の演奏会を構成出来る
様に、これらの組曲を作曲したのではないでしょうか。(＊６)
演奏時間、約８分
(＊１)：「報道の日の為の音楽」(1899) はロシアによる報道管制に抗議する為に企画された
愛国的な劇、行事の為の音楽。６場から成っている。
(＊２)：「フィンランディア」Op.26 が編纂されたのは翌年の1890。
第６場の音楽「フィンランドは目覚める」を原曲としている。エンディングが異なるが、
他の部分での差異は無いと思われる。
一方、組曲「歴史的情景」第１番 Op.25 が編纂されたのは第４交響曲作曲後の
1911であり、原曲との差異も大きく成っている。Op. は作品完成順を反映しておらず、
着想の元と成った素材に関連して振られている様だ。
(＊３)：ワイナモイネンは叙事詩「カレワラ」の英雄、吟遊詩人。歴史と云うより神話の世界か。
(＊４)：１７世紀の宗教戦争。
(＊５)：組曲「歴史的情景」第２番 Op.66 のスタディスコアでは最近までⅣ～Ⅵの表記が
各曲の表題に併記されていた。現状 (2013/5) の確認は出来ていない。また、後述の
「フィンランディア」も含め、これらの表記が作曲者の意図か出版社の意向かは不明。
(＊６)：出品者所有の茶色の表紙のスコア(Breitkopf 1980購入)では、表紙に Op.26,Nr.7 と
記載されている。 Op.26 は「フィンランディア」のみで Nr.１ 等は存在しない。
原曲、「報道の日の為の音楽」の７曲目(序曲を含めて)だから．．． と説明された事も
有った様だが、前述の様に「歴史的情景」各曲との通し番号 であると解釈する方が
納得が行くのではないか。
但し、現在発売されている同社のスコアは Op.26 のみの表記に改められているのが
確認出来る。現在の演奏状況を反映しての事と思われる。
今回、７曲セットでの出品と成っておりますが、分売も可能です。
組曲第１番+「フィンランドは目覚める」/組曲第２番+「フィンランドは目覚める」：20000/20000
に成ります。事前に質問欄から御申込ください。
★作曲者・曲名
ジャン・シベリウス 組曲「歴史的情景」第１番、第２番/「フィンランドは目覚める」
オリジナル吹奏楽編曲版楽譜セット
原題 JEAN SIBELIUS
Scenes Historiques I Suite for Wind Orchestra
1. All'Overtura
2. Scena
3. Festivo
Scenes Historiques Ⅱ Suite for Wind Orchestra
4. Metsastys "The Chase"
5. Minnelaulu "The Minnesong"
6. Nostosillalla "On the Drawbridge"
Suomi heraa
7. "Finland Awakes" from the Press Celebrations Music
★パート編成等
一般的な市民吹奏楽団の編成を鑑み、 Cb.Cl 等は除外、Bsnが無くても何とか成る様に
編曲されています。(有った方が良いですが．．．) Sop.Saxを参加させています。
詳細は商品画像で確認してください。
★商品の形態
フルスコア、各パート譜をPDFファイルにて配布します。
基本的にEメールにて配信します。
★試聴リンク
リンク先をGoogleDriveに移行しました。リンクより .wma ファイルをダウンロードして
Mediaプレーヤー等でお楽しみください。
組曲「歴史的情景」第１番
第１曲 序曲風に、第２曲 情景、第３曲 祝祭
組曲「歴史的情景」第２番
第４曲 狩り、第５曲 愛の歌、第６曲 跳ね橋にて
「フィンランドは目覚める」
下記出品中！ 右上の「出品者のその他のオークションを見る」から御覧に成れます。
ワーグナー
「ローエングリン」より 第１幕への前奏曲、「響け、勝利の歌よ！」(第１幕３場より)、
「朝の喇叭が我らを呼ぶ」(第２幕３場より)、「エルザの大聖堂への行列」、
「第３幕への前奏曲」、「さらば！我が愛しき妻よ」(第３幕３場より)
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より 前奏曲(第１幕)、第３幕前奏曲
「ワルキューレ」より 「冬の嵐は過ぎ去りて」
「ワルキューレの騎行」、「ヴォータンとワルキューレ達」
「ジークフリート」より 「ノートゥングの再生」、「ジークフリートの大蛇退治」、
「森のささやき」、「愛の二重唱」
「神々の黄昏」より 「夜明け - ジークフリートのラインへの旅」、「ジークフリートの葬送行進曲」、
「ブリュンヒルデの自己犠牲」、「終曲」
マーラー
交響曲１番４楽章、花の章
交響曲３番第１楽章、第２、３楽章、第４～６楽章
交響曲５番第１部(第１、２楽章)、第２部(第３楽章)、第３部(第４、５楽章)
交響曲１０番全曲、「大地の歌」第1楽章、「もう１つのマーラー」～リュッケルト歌曲集より
R・シュトラウス 「アルプス交響曲」(全曲)
シベリウス
「カレリア序曲・組曲」、交響詩「春の歌」、「レミンカイネン組曲」
組曲「歴史的情景」第１番、第２番＋「フィンランディア」
チャイコフスキー 「くるみ割り人形」より抜粋
ニールセン 交響曲「不滅」
ブルックナー 交響曲７番第２楽章
ビゼー 劇的序曲「祖国」
下記楽譜を【ミュージック・ベルズ】様より出版していただきました。
シベリウス
交響曲２番 第１楽章、第２楽章、第３楽章、第４楽章
バックス
交響詩「ティンタジェル」
【ミュージック・ベルズ】様Hpより購入していただけます。上記リンクからも試聴(全曲)が可能です。
いただきます。
ジャン・シベリウスの著作権保護期間は日本国内では満了していますが、保護期間が
死後70年の国々では保護期間中です。当方では本商品をこれらの国々に持ちだした場合の
結果に対し、いかなる種類の法的な責任や義務を負いません。
商品はDATA(PDFファイル)です。紙に印刷された物ではありません。
編曲内容へのクレームは御容赦ください。ノークレーム・ノーリターンでお願いいたします。
万一楽譜に誤植が有りました場合は御報告ください。修正版を作成、送付させていただきます。
商品の性質上、転売、貸出等は禁止させていただきます。了解の上、御購入ください。
当商品はオリジナル吹奏楽編曲版(二次的著作物に該当)であり、その著作権は編曲者に
あります。出品者は編曲者との契約に基き、本出品を行っています。
個人様の場合は所属楽団のホームページ記載のEメールアドレスに保護付きデータを送付し、
個人様にパスワードを連絡します。
著作権保護を鑑み前記手段をとらせていただいています、御理解ください。
ホームページを作成してない楽団の方、部活所属の学生の方、顧問の先生方等、事前に
質問欄より御連絡ください。対応を考えます。